暦と生活・12月の二十四節気と七十二候「大雪」「冬至」について

スポンサーリンク
※このブログは広告を含んでいます。
このブログは広告を含んでいます。
12月の二十四節気大雪と冬至 暦と生活

いよいよ12月。旧暦では師走です。何となく気分も街も、慌ただしくなってきます。
年末年始に向けて、イベントも色々ある時期。同時に寒さと乾燥で、風邪も流行ってくる時です。
今一度、落ちついて、この季節の過ごし方を考えてみてはいかがでしょうか?
12月の「大雪」「冬至」とは?その意味や過ごし方・行事などをご紹介します。

 

スポンサーリンク

「大雪」 2023年12月7日

一年を二十四の節気に分けた二十四節気の中で、「大雪」は、21番目にあたります。
「大雪」は2023年は12月7日。
また、期間を表す場合の「大雪」は、12月7日~12月21日頃までです。

話す若い女性

12月師走は、「師が慌ただしく走る月」
この師とは、僧侶のことをさしています。

昔は12月に家に僧侶を迎えて読経などの仏事を行っていたため、

僧侶は忙しかった様子を表しています。

 

「大雪」とは?

「大雪」とは「たいせつ」と読み、
雪が本格的に降りだすころ、本格的な冬が到来する時期のことです。

山は雪に覆われていって、平野にも雪が降り積もるようになります。寒さのピークはまだ先ですが、動物達は冬ごもりの時期に入って、次第に寒さが増していきます。
新しい年を迎えるための準備を始める「正月事始め」をする時期でもあります。

話す若い女性

「冬将軍」といわれるシベリア寒気団がやってきます。
日本海側には雪、太平洋側には乾燥した風をもたらし、2月の「大寒」のころの寒さと同じくらい寒い、真冬並みの寒さなどといわれる日も出てきます。

 

「大雪」の中の七十二候

二十四節気の「大雪」の期間の中には、その節季をさらに3つに分けた七十二候があり、
初候・次候・末候とそれぞれ季節の事象を表す名称がついています。
次は「大雪」の七十二候を見ていきましょう。

初候・「閉塞成冬」12月7日~12月10日頃

「閉塞成冬」は、「そらさむくふゆとなる」と読みます。
大雪の初候で、七十二候の第六十一候にあたります。

閉塞成冬のイメージ画像

話す若い女性

「閉塞成冬」は、
天地の気が塞がれて、空は重い雲に覆われて閉ざされる、本格的な冬が訪れる様子。
生き物はじっとしているという意味です。

 

次候・「熊蟄穴」 12月11日~12月15日頃

「熊啓蟄」は「くまあなにこもる」と読みます。
大雪の次候で、七十二候の第六十二候にあたります。

熊蟄穴のイメージ画像
熊が冬ごもりの時期になり、ほかの動物たちも山で穴にこもって、春まで冬眠します。

末候・「鱖魚群」 12月16日~12月20日頃

「鱖魚群」は、「さけのうおむらがる」と読みます。
大雪の末候で、七十二候の第六十三候にあたります。

鮭の遡上イメージ

話す若い女性

「鱖魚群」は、

海で育った鮭が産卵のために自分の生まれた川に戻ってくる、
川に鮭が遡上する時期の様子を表しています。
北国では、冬の風物詩ともなっていて、鱈など冬の魚の漁も盛んになります。

「大雪」の期間の行事など

大雪の時期に行われる、行事には、どんなものがあるのでしょうか?紹介します。

12/8 事始め・針供養・事八日

使っているうちに傷んでしまった針を供養する日。
同時に縫物の上達を願って祈る。事納めというところや、2/8に行う地域もあります。
針は固いものを刺して縫うことが多いので、供養の日には、針作業はせず、豆腐やこんにゃくなど柔らかいものに刺して、神社に納めます。
また、12/8は事八日ともいい、農作業の終わる時期で、お事汁という根菜たっぷりの味噌汁をいただいて、五穀豊穣や無病息災を祈ります。

2月の針供養については、こちらの記事でも説明しています。

12月13日 正月事始め・煤払い

昔は正月事始めと言って、一年の汚れや厄を落とす「煤払い」を行って、新年の年神様をお迎えする準備をしていました。お正月前の大きな行事で、煤払い、松迎え、と新年に迎えた準備がありました。
京都の花街では、一年の感謝をこめて、お得意様やお世話になっている方々へ、鏡餅を届けて挨拶にいく風習が残っています。
神社仏閣でも、煤払いが大々的に行われます。

12/1718.19羽子板市

江戸時代、東京・浅草の浅草寺では12/18に「納めの観音」という縁日がありました。
参拝者が多かったので、出店などが集まり、やがて歳の市と呼ばれるようになり、現在に至ります。
3日間浅草寺の境内には、羽子板を売る店や様々な飲食店や出店などが並び、沢山の人で賑わいます。

羽子板市に関することは、こちらの記事も見てみてくださいね。

「冬至」 2023年12月22日

一年を二十四の節気に分けた二十四節気の中で、「冬至」は、22番目にあたります。
2023年の「冬至」は、12月22日。期間を表す場合の冬至は、12月22日~1月5日頃までをいいます。
冬至はちょうど冬半ばにあたり、「冬至冬中冬始め」という諺があります。
生活の体感としては、ここからが寒さの本格化です。同時にウツボグサや麦の芽が出始める頃でもあり、雪の下では植物は春を待って準備しています。

「冬至」とは?

一年でもっとも昼が短かく夜が長い日。
太陽の位置が一年で一番低い位置となり、もっとも日が短い日です。また、冬至は太陽が生まれ変わる日ともされて、力が弱くなった太陽が冬至を境に蘇るとされていました。
その様子は一陽来復と言われ、日は最も短い冬至の翌日からは、また延びてくため、再び運が上昇する日とされています。
この冬至の日には、寒さを乗り切るために栄養価のあるかぼちゃを食べたり、柚子湯につかり無病息災を願います。

冬至の食べのものとして「ん」のつく食べ物をお供えする「運盛り」という習慣があります。
「ん」が二回重なる食べ物が良いとされ、にんじん・だいこん・れんこん・うどん・ぎんなん・きんかんなどを食べます。

冬至の食べ物

また、小豆は赤い色が魔除けになるとされて、冬至に小豆粥や小豆団子・赤飯などを食べる習慣もあります。冬至粥という小豆をいれたお粥があります。

そして、冬至や大晦日・節分などの節目には、体の中をきれいするための「体の砂払い」「砂おろし・砂はらい」と言った習慣もあり、こんにゃくなど食物繊維をとり、腸をきれいにします。

冬至についての、詳しい記事は、こちらを参考にしてみてくださいね。

「冬至」の中の七十二候

冬至は、私たちの生活のなかにも習慣として根付いています。そんな冬至の期間をさらに3つに分けた七十二候について、見ていきましょう。

初候・「乃東生」 12月22日~12月26日頃

「乃東生」は「なつかれくさしょうず」です。冬至の初候で七十二候の第六十四候にあたります。

乃東生ウツボグサお花

「乃東生」は夏になると枯れてしまう靭草(うつぼくさ)の芽が出る頃を表しています。
この草以外の草木は、まだほとんど枯れている季節です。

話す若い女性

乃東は靭草の古名で、漢方にも使われる植物です。
冬至の頃に芽が出て、夏至のころには枯れてしまうので、
「夏枯草」とも言われます。

七十二候の第二十八候の
「乃東枯・なつかれくさかるる」6月21日~6月25日ころと対になっています。

 

次候・「麋角解」 12月27日~12月31日頃

「麋角解」は、「さわしかつのおつる」と読み、冬至の次候で、七十二候の第六十五候にあたります。

鹿角解さわしかつのおつるのイメージ

麋は大型の鹿の一種。
※写真の鹿はヘラジカではありません。日本の鹿が角を落とすのは、春になってからです。

話す若い女性

「麋角解」は
へラジカやトナカイなどの角が、一年に一度根元から抜けて生え変わるころ。
枝分かれした大きな角が抜け落ち、春にまた新しい角が生え始まります。

末候・「雪下出麦」 1月1日~1月5日頃

「雪下出麦」は「ゆきわたりてむぎいづる」と読みます。七十二候の第六十六候にあたります。

雪下出麦

話す若い女性

降り積もった雪に覆われた畑の下で、麦の芽が出始めるころ。
重い雪の下で、暖かい春を待っています。

七十二候の第二十四候にあたる、
「麦秋至・むぎのときいたる」5月31日~6月4日ころと対になっています。
麦は別名「越年草」といわれ、冬に芽を出して6月に収穫を迎えます。

 

「冬至」期間の行事など

冬至期間にある、年末の行事を見ていきましょう。

12/28・12/30 餅つき

正月に飾る餅を作る餅つきを行う日。
餅つきのほか、門松・注連縄などの正月飾りを用意するのもこの日に行います。

新しい年ともに、お迎えする神様の依り代・居場所となるのが鏡餅です。
年神様は、豊かな実りと魂(生きる力)を分けてくれると言われています。
その神様の魂が宿った鏡餅を、家族でわけていただきますが、
それが、御降玉→御年魂→御年玉へと変化していき、今ではお餅の代わりに、お小遣いをもらいます。鏡餅を雑煮やぜんざいにして食べたりするのは、年神様からの魂分けの名残ともいえます。

話す若い女性

お正月飾りを準備するにあたって、31日に行う一夜飾りは失礼とされています。
また、29日は二重苦・苦持ちを連想するとして縁起悪いため、
28日か30日に行うのが良いといわれています。

12/31 大晦日

毎月の月末のことを「晦日」といい、12月は一年で最後の月でなので「大晦日」と言われています。
また、三十日の読み方の「みそか」が転じて、おおみそかとも言う説もあります。
大晦日は家にやってくる年神様をお迎えするために寝ないで待つ日です。
除夜の鐘・大晦日の夜から元旦にまたがり、寺院では人間の煩悩の数とされる108の鐘をつきます。
お正月のおせち料理を準備して、年越しそばを食べて、新年を迎えます。

まとめ

12月の二十四節気である「大雪」「冬至」とその七十二候をご紹介しました。
新しい年を迎えるにあって、準備することも多く、忙しくもありますが、気持ちの切り替えにもなります。
冬の寒さに備えて、旬の栄養ある食べ物をいただき、健康で無事に一年を終え、そしてまた新しい年を元気に迎えたいものです。