11月は紅葉も始まり、朝晩は冷え込む時期となります。
コートや暖房器具の準備もそろそろ始めようかという季節です。
11月に入ると急に風が冷たくなったり、季節の移り変わりを感じられるようになります。
そんな11月の季節の過ごし方を、「立冬」「小雪」といった節目の言葉とともに紹介します。
「立冬」2023年11月8日
二十四節気は一年間を二十四の節気に分けて、それぞれの季節を表す言葉をつけたものです。
11月8日の「立冬」はその二十四節気のうちの19番目にあたります。
「立冬」は2023年は11月8日。
また、期間を表す場合の「立冬」は、11月8日~11月21日頃までです。
「立冬」とは?
立冬は、二十四節気では冬の始まりに当てはまります。
冬に分類される節気は6つありますが、その最初に巡ってくるものです。
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「立冬」とは、暦の上では冬の始まりと言われています。
冬の気配が立ち始めること、という意味です。
「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は春夏秋冬の最初の日で、「四立(しりゅう)」と呼ばれます。
そしてこの四立の前日が「節分」です。
節分は2月のイメージがありますが、季節を分けるという意味で、本来はそれぞれの季節にありました。また、「立」とは、新しい季節になるという意味があります。
「立冬」の中の七十二候
七十二候とは、二十四節気の約15日間の節気の中を、さらに約5日ごとに初候・二候・三候の3つに分けたもので、一年間を七十二の候に分けたものをいいます。
二十四節気よりもさらに、四季の気象の動きや、動植物の変化を知らせるような名称がついています。
初候・「山茶始開」11月7日~11月11日
「山茶始開」は「つばきはじめてひらく」と読み、立冬の初候で七十二候の中の第五十五候です。
期間は11月7日~11月11日頃にあたります。
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「山茶始開」は、山茶花の花が咲き始めるころを表しています。
山茶の読み方は「つばき」ですが、「椿」のことではなく山茶花のことです。
山茶花は山に生えて花を咲かせるお茶の木ということで、昔は葉の部分をお茶として飲んでいたのが由来と言われています。
次項・「地始凍」11月12日~11月16日
「地始凍」は「ちはじめてこおる」と読み、立冬の3つの中の次項、七十二候のうちの五十六候です。
期間は11月12日~11月16日頃にあたります。
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「地始凍」は、冬の冷気の中で大地が凍りはじめる頃。という意味です。
朝晩の冷え込みが厳しくなって、冬の訪れを感じられる季節です。
霜が降り、霜柱も見られる地域が出てきます。
末候・「金盞香」11月17日~11月21日
「金盞香」は「きんせんかさく」と読みます。立冬のなかの末候、七十二候の中では五十七候です。
期間は11月17日~11月21日ころにあたります。
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「金盞香」は、水仙の花が咲き始めるころを表しています。
金盞とは、金色の盃を意味していて、6枚の花びらの真ん中に黄色い冠部分がある、水仙のことです。春に咲くキク科の金盞花とは違い、お正月の頃の花として咲いている、水仙のことを表しています。
水仙の別名は「雪中花」とも言われ、開花時期は11月~3月ころです。
「立冬」期間の行事など
立冬の期間、11月8日~11月21日頃に行われている行事や、季節の特徴を紹介します。
立冬の日は、様々な記念日もあり、
「鍋の日」「ココアの日」「巻き寿司の日」「とんかつの日」「腸活の日」「湯たんぽの日」
「夜なきうどんの日」などがあります。
寒さに備える準備が感じられる記念日が多いように感じます。
また、京都下鴨神社では、神様が冬服をお召替えになる「更衣祭」が斎行されます。
亥の子の日
真冬の寒さに備えて冬の準備を始める「炬燵開き」の時期。
2023年は11月1日が亥の子の日。11月の最初の亥の日に行われます。
暖房器具を使い始める「炬燵開き」や、お茶席で炉を使い始める「炉開き」、猪の子供に見立てた和菓子「亥の子餅」を食べて子孫繁栄を願う行事などが行われます。
七五三
11月15日に行われるのが、七五三。子供の健やかな成長を祝い、祈願します。
平安時代に行われていた、
3歳の男の子女の子が行なう「髪置きの儀」
5歳の男の子が行う「袴着の儀」
7歳の女の子が行う「帯解の儀」
が由来とされていて、氏神様に参拝をします。
七五三のお祝いに欠かせないお菓子は、千歳飴です。千歳とは、千年・長い年月という意味。
細長く引っ張るとどこまでも伸びる飴である千歳飴は、
子供達に「細く長く粘り強く、いつまでも健康で長生きして欲しい」との意味が込められています。
酉の市
江戸時代から行われる鷲神社の年中行事。
11月の酉の日に、酉の市が立ち、縁起物の熊手が売られて、商売繁盛や開運招福を願います。
2023年は11月11日と11月23日となっています。
お火焚き
お火焚きは冬の火祭りで、京都の神社では、鎮火のお供え・鎮火祭が行われます。
火を使い始めるこの時期、収穫への感謝と厄除けを願います。
各神社では11月から12月中旬ころにかけて、新穀や御神酒、里芋やミカン・饅頭・赤飯などをお供えして、願い事などを護摩木に書いて焚き上げる、「御火焚おひたき」が行われます。
もともとは、旧暦の11月8日に宮中や民家の風習として行われていたものや、
新嘗祭などと合わさって、神楽の奉納などが行われたりもします。
お火焚き饅頭という「火炎宝珠」の焼き印が押された饅頭が配られたり、販売されます。
小春日和と木枯らし
天気予報などでこの時期に聞かれるのは、「小春日和」と「木枯らし1号」です。
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「小春日和」は、春のことかと思っていました。
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実は、冬の季語なのです。
寒い日々の中に時々訪れる、春のようなつかの間の暖かい日のことを呼びます。
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「木枯らし1号」というのは、
木枯らしがいつ吹くのか・・・などと、天気予報で聞いたりします。
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木枯らし1号は、
秋から冬に変わる時期に、初めて吹く強い北風のことです。
これが吹くと冬の気圧配置になったことを表します。
暦の上では立冬から立春の前日までが冬です。秋から冬の始まりの変化が感じられる時期です。
小雪 2023年11月22日
「小雪」は2023年は11月22日です。
期間としては11月22日~12月6日頃にあたり、立冬と大寒の間となります。
二十四節気では、20番目の節気。
暦の上では冬になる立冬の次として、冬を6つに分けたうちの2番目です。
暦の上では冬になるといっても、まだ、紅葉の場所があったり、本格的な雪の降り始めにはまだ先という時期でもあります。
「小雪」とは?
「小雪」とは、わずかながらに雪が降り始めるころを表す意味です。
雨と雪が入り混じって降ること、降った雨が雪に変わってくるという意味もあります。日が短くなり、冷えてくる時期で、雪が混じってはくるが、積もるほどは降らないので、小雪と言われます。
「小雪」の中の七十二候
小雪の期間11月22日~12月6日を3つに分けた七十二候について見ていきましょう。
初候・「虹蔵不見」11月22日~11月26日
「虹蔵不見」は「にじかくれてみえず」と読み、小雪の中の初候・七十二候の中の五十八候です。
期間は11月22日~11月26日頃にあたります。
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「虹蔵不見」は
曇り空が多くなり、日差しも弱まって、虹を見ることが少なくなってくる様子
を表しています。
虹は太陽の光に空気中の水滴が反射してできるので、日光の光が弱まり乾燥するこの季節では、虹は見ることができても、夏の空のようにくっりとは見えません。
ぼんやりとしていて、すぐに消えてしまう、すこし物寂しい感じを表しているような言葉です。
そしてこの候は、春先の様子を表す「清明」の末候、
「虹始見・にじはじめてあらわる」4月14日~4月19日頃と対になっています。
次候・「朔風払葉」11月27日~12月1日
「朔風払葉」は、「きたかぜこのはをはらう」と読み、小雪の次候で七十二候のうちの五十九候です。
期間は11月27日~12月1日頃にあたります。
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「朔風払葉」は、冷たい北風が、木々の葉を落とすころの意味です。
朔風とは北風のこと。
太平洋側では、乾燥した風で「空っ風」とも言われます。
地面に広がる落ち葉と、葉を落とした木々の様子は、冬を感じる景色として、季節の移り変わりを実感します。
末候・「橘始黄」12月2日~12月6日
「橘始黄」は「たちばなはじめてきばむ」と読んで、は小雪の末候で、七十二候のうちの六十候です。
期間は、12月2日~12月6日頃にあたります。
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「橘始黄」は、橘の実が黄色くなっていく頃のことです。
橘とは柑橘類で、古くから日本に自生している「ヤマトタチバナ」のことです。
常緑植物でもある橘は、永遠を意味する木として、不老不死の力を持つ実だとも言われてきました。
永遠の象徴として御神木として植えられたり、家紋にも用いられています。
「小雪」期間の行事など
小雪の時期、11月22日~12月6日ころにかけて行われている行事には、どんなものがあるでしょうか?
新嘗祭・勤労感謝の日
11月23日は「新嘗祭」「勤労感謝の日」です。
新とは新穀・初穂のこと、嘗はごちそうを意味するとされています。
宮中行事のひとつで、全国の神社で行われる新穀を神様にお供えして感謝する日です。
もともとは新嘗祭の日でしたが、戦後に宮中行事とは切り離されて、働く人々に感謝するという、
勤労感謝の日としても設定されました。
三の酉
11月に行われる酉の市。酉の日は12日ごとに巡ってきますので、11月の1日~6日に一の酉がある年は、必ず三の酉が巡ってきます。
「三の酉まである年は火事が多い」とも言われています。起源は諸説ありますが、乾燥して火事が気になる季節の戒めの言葉として残っています。
お歳暮
お世話になった方へ、一年の感謝の気持ちを込めて贈るお歳暮。
お歳暮の時期は地域によって異なりますが、関東では11月下旬~12月20日ころまで、関西では12月13日~12月20日ころまでが主流となっています。
もともとは12月13日のお正月に向けた準備を始める「事始め」から贈るのが習わしとなっています。
まとめ
暦の上では冬が始まる季節となった、立冬と小雪を紹介しました。
朝晩が冷え込み、日中の日差しも弱まってきます。木枯らしが吹き、木々の葉が落ちて、早いところでは初雪の知らせが聞こえてきます。
これからやってくる本格的な真冬に備えて準備を始める時期です。
「立冬」「小雪」の頃の旬の食べ物
秋の名残を感じつつ、冬支度や年末年始に向けた行事も始まってくる時期です。そろそろ体が温まるものも欲しくなってきます。季節の移り変わりで、体調を崩さずに過ごすには、旬のものを食べえるのが良いと言われます。
11月の時期に旬を迎える食材は、
りんご・柿・みかん・冬瓜・蓮根・サツマイモ・銀杏・ゴボウ・栗・白菜・春菊・ほうれん草・牡蠣・サンマ・ズワイガニなど・・・です。
年末に向けて慌ただしくなる前に、体を整え、冬の寒さに備えてみましょう。