東京では、秋の風物詩として10月19日・20日にべったら市が開催されます。
べったら市は10月20日に行われる恵比寿講にともなって行われていた、市が発祥となっています。
今でも商売のさかんな地域や農村部では、恵比寿講といって、恵比寿様を祀った神社に参拝したり、
お供えをしたりする風習が残っています。そんな恵比寿講について紹介します。
恵比須講ってどんな行事?
恵比須講は家庭でも行っている地域もあれば、名前は聞いたことがあっても、まったく馴染みの無い方もいるかもしれません。恵比寿講について由来などの解説していきます。
恵比須講とは?
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恵比須講って、私はあまり聞いたことがないです。
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恵比須講とは、主に商人たちが行なっている、商売繁盛を祈願する行事のことです。
恵比寿様が祀られている神社に参詣したり、親類や知人を家に招いて、恵比須様にお供えをして商売繁盛・家運隆盛を願ってお祝いをする行事です。
中世~江戸時代の頃に盛んになり、
特に日本橋の宝田恵比寿神社の恵比須講が盛大に行われていました。
恵比須講はいつ行われるの?
恵比須講は地域によって日程が異なっていますが、
秋の10月20日・11月20日に行ったり、
年が明けて1月20日や2月20日に行われています。
関西の恵比須講 1月10日が多く「十日戎」と言われる。
恵比須講での縁起物とお供え
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恵比須様をお祀りするには、お供えものなどがあるのでしょうか?
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家庭でお祀りする場合のお供えはもちろん、
祭りでは、露店で縁起物などが売られているのを見ることができます。
恵比須講では、祭りの境内や露店などで縁起物が販売されます。
・福笹:竹の枝、笹に俵や大判小判・鯛などの縁起物をつけたもの。関西に多い。
熊手は、福をかき集めるとして縁起が良いとされていて、家の神棚などに飾ります。
毎年買い替えることで福を運んでくるといわれています。
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京都では、福笹に見立てた料理で「笹に小判」という、
九条ネギとはんぺんの汁物があります。
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家庭での恵比寿講のお供えは、
尾頭付きの鯛、葉付きの大根・秋にとれた果物や野菜・生きた魚をまるごと
お供えすることが多いです。
尾頭付きの魚・蕎麦やけんちん汁をお供えするなど、地域によって違いがあります。
「宵えびす」という恵比寿講の前夜祭を行う地域もあります。
恵比須様はどんな神様?
続いては、恵比寿様について詳しく紹介します。
恵比須様とは、何の神様なの?
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恵比須様は七福神の神様の一人というイメージです。
恵比須講で祀られるのは、どんな神様だからなのでしょうか?
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七福神の一人である恵比須様は、釣り竿と大きな鯛を持った姿をしてる神様です。
商売・農業・漁業の神様として、大漁追福・五穀豊穣・商売繁盛のご利益
があるとされています。
その恵比寿様とお祀りする行事である恵比寿講は、
「恵比寿講」・「夷講」・「戎講」・「蛭講」などいくつか書き方があります。
10月に恵比寿講が行われるきっかけは?
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なぜ、10月に恵比寿講を行うようになったのでしょうか?
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10月は「神無月」というのは知っているかな?
日本中の神様が出雲大社に集まり会議をする月と言われています。
そのため、各地で神様が不在となってしまうため、神無月。
でも、留守番の神様として恵比須様が残ってくれて、
私たちを守ってくれていると言われていました。
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その留守番をしてくれている恵比寿様に、感謝をしたんだね。
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見守ってくれる恵比須様に感謝をしつつ、商売繁盛を願いました。
主に商売をする人たちが恵比寿講を催して、恵比寿様をお祀りしてお供えをしたり、皆で集まるようになりました。
農村部では、収穫の感謝や豊作を願って、恵比寿講を開いている地域もあります。
恵比須講の有名な地域はどこ?
関東と関西では、恵比寿講が行われる日程に違いがありましたが、現在も行われている地域はどうなっているでしょうか?いくつかご紹介します。
東京都・日本橋のべったら市
東京の恵比寿講といえば、
10月19日・20日に行われる、日本橋にある宝田恵比寿神社のべったら市。
もともとは恵比須講に必要な用品(恵比寿大黒像・打ち出の小づち・懸鯛)などを売る市が始まりです。
甘い大根の漬物である「べったら漬け」が有名です。
「切山椒」と言って、上新粉に山椒の粉と砂糖を混ぜて細長く切った、恵比寿講のときだけ売られる
お菓子もあります。
神輿や山車・神楽などの奉納や沢山の屋台が街に出店し、賑わいます。
日本橋の宝田恵比寿神社のべったら市については、こちらの記事へ
兵庫県・西宮神社のえびす講
関西の恵比寿講で有名なのは、兵庫県西宮市にある「西宮神社」です。
恵比寿講の信仰の総本社。「えびす祭り」や「えべっさん」とも言われて親しまれています。
1月9日~11日のえびす講「十日戎」では、毎年ニュースなどでも話題になる
「開門神事福男選び」が行われることでも有名です。
その他、大阪今宮神社も1月9日~11日に「十日戎」が行われます。
縁起物である福笹には、「吉兆」といわれる海・山・野の幸が飾られています。
長野県・西宮神社のえびす講
長野市岩石町にある西宮神社では、11月18日~20日に恵比寿講が行われます。
そして、えびす講に合わせ11月23日に開催される、長野えびす講煙火大会があります。
まとめ
恵比須講について、由来や祭りについて紹介してきました。
現在でも、商売をする人たちにとっては、とても大切にされている恵比寿様です。
しかし、一般の人も、知らず知らず恵比須様の恩恵を受けているのをご存じでしょうか?
大売出しは、恵比寿様のおかげ?
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恵比須講のおかげで、現在の私たちにとって、
とてもありがたい催しができたのですが、何かわかるかしら?
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商売に関することなのかな?
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「誓文払い」という関西を中心に行われている行事があります。
商売上の罪滅ぼしのために、恵比寿様に祈願し参拝する日としています。
博多せいもん払いなどは有名で、商店街では、大売出しが行われます。
「誓文払い」は、もとは京都の芸者や大阪の商人たちが、商売をする上で必要な嘘などの罪滅ぼしのために恵比須様にお参りしたり、お祓いを行ったりしたのが始まりです。
そこから、お客様の罪滅ぼしのために、大売出しをする風習もはじまり、現在も行われています。
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今で言う、セールは、恵比寿様と関わりがあったなんてビックリ。
笑顔でふくよかな恵比須様は、見ただけでも福が来そうな気がしますね。
生活が大変な現代でも、恵比寿様にあやかって、商売繁盛・豊作・家族繁栄を願いたいものです。