紅葉の便りも聞こえ始める11月。
東京都心でも、朝晩は冷え込むようになります。
二十四節気では、立冬を迎えます。
ここでは、昔ながらの暦である、二十四節気と七十二候について、
立冬の意味や過ごし方、季節の伝統行事などを紹介します。
立冬について
まずは、立冬はいつからで、どのような日なのかについて紹介します。
立冬はいつ?
2025年の「立冬」の日は11月7日(金)です。
立冬の期間を表す場合は、2025年は、11月7日(金)~11月21日(金)です。
立冬は、秋分と冬至の中間です。
冬を表す節気は、立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒の6つです。
立冬とは?

「立冬」には、どんな意味が込められているのでしょうか?

「冬が立つ」という文字の「立冬」
「冬のはじまりのこと」を表しています。
暦の上では、この立冬から冬の節気に入ります。
「立」には、新しい季節になるという意味がこめられています。
立春・立夏・立秋・立冬などがあるように、それぞれの季節の節目を表しています。
立冬になると、この頃から冬らしくなり、気温が下がる時期になります。
急に冬になるというよりは、徐々に、冬らしい寒さを感じ始めるようになります。
立冬はどんな季節
秋が極まり冬の気配が立ち始める日。
「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」と説明されています。
冷たい木枯らしが吹き、紅葉も落ち葉になり、霜や雪の降る地域も出てきます。
●木枯らしとは?
秋から冬に変わる時期に北寄りの冷たく吹く風のこと。
気象庁では、東京と大阪に限って、木枯らし一号が吹くと発表されています。
立冬とはいえ、東京や関東地方では、紅葉が始まる時期。
昼間はまだ、あたたかな日もあり、本格的な冬の寒さが訪れるのは、まだ先です。
春に使う言葉だと勘違いしそうになりますが、「小春」は冬の季語。
立冬の頃、寒い日がやってくる中で、暖かく穏やかな日のことを呼びます。
立冬の時期は、真冬の寒さに備えて、冬の暖房器具の準備を始める
「こたつ開き」の時期でもあります。
立冬の日には、
下鴨神社では、神様が冬服にお召替えになる更衣祭が斎行されます。
立冬の七十二候について
二十四節気には、各節気を約5日ごとに分け、その期間の季節の様子を詳しく表した、七十二候があります。
立冬の七十二候には、
「山茶始開」・「地始凍」・「金盞香」の三つがあります。
立冬の初候:山茶始開 11月7日〜11月11日頃


立冬の初候は、「山茶始開」です。
七十二候の第五十五候にあたります。
読み方は、「つばきはじめてひらく」です。
期間は、2025年は、11月7日(金)~11月11日(火)です。

「山茶始開」とは、
山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃の様子を表しています。
●山茶始開の山茶とは?
読み方は「つばき」ですが、椿のことではなく、山茶花「さざんか」のこと。
山茶花の花は、秋から冬にかけて咲き、花びらが一枚一枚散ります。
椿は花ごとポトリと落ちるのが特徴です。
また、山茶花は、「山に生え花を咲かせる茶の木」として、
葉をお茶にして飲んでいたこともあったようです。
立冬の次項:地始凍 11月12日~11月16日頃


立冬の次項は、「地始凍」です。
読み方は、「ちはじめてこおる」です。
期間は、2025年は11月12日(水)~11月16日(日)です。

「地始凍」とは?
「大地が凍り始める頃の様子」を表しています。
冬の冷気がやってくる季節の中で、寒さで大地が凍りはじめる頃です。
日ごとに寒さが増して、本格的な冬の訪れを感じるようになります。
朝は霜が降り、地中の水分が凍ってできる霜柱がみられる地域もでてきます。
立冬の末候:金盞香 11月17日~11月21日頃


立冬の末候は、「金盞香」です。
読み方は、「きんせんかさく」です。
期間は、2025年11月17日(月)~11月21日(金)です。

「金盞香」とは?
「水仙の花が咲きはじめる頃の様子」を表しています。
金盞花の花が咲き、上品な甘い香りをはなつ時期。
金盞香は、「きんせんかさく」と読むので、金盞花を想像しそうですが、
春に咲くキンセンカのことではなく、水仙の花ことを表しています。
水仙の花は11月半ば~3月に咲きます。
雪が残る中に、白と黄色の花を咲かせるため、「雪中花」とも呼ばれます。
金盞は、黄金の杯のこと。
水仙は、6枚の花びらの真ん中に、黄色の冠のような副花冠をもっています。
それを囲むように白い花びらがついているので、「金盞銀台」とも呼ばれます。
立冬の時期の主な行事
立冬の期間中、11月7日~11月21日ころに行われる、主な伝統行事や過ごし方
などを紹介します。

11月10日 十日夜
2025年の十日夜は、11月10日(月)です。
旧暦の10月10日は収穫を終え、田の神が山へ帰る日とされ、
「十日夜」という行事を行います。
カカシに供え物をしたり、一緒にお月見をします。
十五夜・十三夜と十日夜は、「三月見」と呼ばれ、
この3日全てが晴れると縁起が良いとされています。
十五夜と十三夜は、「月を眺める」というお月見がメインの行事ですが、
十日夜は「田の神様に収穫の感謝をし祝う」という行事となっています。
11月12日 一の酉
2025年の酉の日は、2回です。
一の酉が、11月12日(水)です。
二の酉は、11月24日(月)となっています。
11月の酉の日に開運招福・商売繁盛を願って、全国の酉の寺・大鳥神社・鷲神社で行われる祭りです。
11月15日 七五三
11月15日には、七五三が行われます。
数えの年齢で、3歳の男の子・女の子、5歳の男の子、7歳の女の子が
着物や袴姿で神社に参拝し千歳飴を持ちます。
3歳での髪置き、5歳での袴着、7歳では帯解きと言われ、
もとは武家や公家でそれぞれ行われていた行事です。
子供の無事を祈り成長を祝い、神様に感謝して神社に参詣する形の
七五三の日が始まったのは、江戸時代からといわれています。
七五三の祝いをする家では、内祝いとして「赤飯」を配る習慣もあります。
お火焚き
毎年、11月~12月にかけて、神社・寺社では、「お火焚き神事」が行われます。
主に京都が中心で、地域や寺社によって、日にちや内容は異なっています。
願い事を書いた護摩木を焚き上げて、祈りを捧げる行事で、秋の収穫に感謝し五穀豊穣・厄除け・土地の安全を祈願します。
お供物として有名なのが「お火焚き饅頭」です。
餡が入った紅白の饅頭に、無病息災を願う火焔宝珠の焼き印が押されています。
菊祭り
各地で、菊祭りが開催される季節です。
様々な品種の菊が見られるほか、アレンジした菊や菊の販売、寺社にちなんだイベントなども行われます。
●第40回亀戸天神菊祭り
2025年10月25日(土)〜2025年11月23日(日祝) 9:00-16:00
亀戸天神社 (東京都江東区亀戸3丁目6番地1号) ※入場料:無料
亀戸天神で、学問の神様・菅原道真公にちなんで、行われる菊祭り。
道真公は、梅の花のイメージがありますが、菊の花も好まれ、数々の和歌を詠んでいます。
16歳の時に詠まれた『残菊詩』から、天神社では宮中で行われていた和歌・連歌などを詠む“残菊の宴”が開催されていました。
1,000輪もの花を咲かせる「千輪咲」や、断崖を表現する「懸崖(けんがい)」など、約500鉢の菊花が展示されます。境内はもちろん、スカイツリーと菊の競演も見どころの一つです。
11月15日は、七五三にちなんで、立身出世を願う「出世魚の放流」も行われます。
●第47回文京菊祭り
2025年11月1日(土)~23日(日祝) 6:00~日没
湯島天満宮境内(湯島天神)(東京都文京区湯島3-30-1)※入場料:無料
文京花の五大まつりの1つで、関東有数の菊まつりとして知られる「文京菊まつり」です。
都内では珍しい菊人形も見どころの一つ。
菊人形とは、菊の花や葉を人形の衣装として着せた菊細工のこと。
江戸時代から作られていたと言われています。
今年は、NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」をテーマに3体の菊人形が披露される予定です。
まとめ
11月の二十四節気「立冬」について、そして立冬の期間を3つにわけた七十二候についてや、期間中のおもな伝統行事について紹介しました。
立冬とはいえ、住んでる地域によって、初雪の便りもまれば、紅葉シーズンまっさかりの地域などがありますが、徐々に寒さが厳しくなる季節がやってきます。
まだ暖かい昼間もある時期、貴重な晴れ間を利用しつつ、冬の寒さに備えていきましょう。

