6月の二十四節気「芒種」と七十二候について期間中の行事なども紹介

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6月の二十四節気「芒種」と七十二候について 暦と生活

6月の二十四節気は「芒種」と「夏至」です。
ここでは、二十四節気の「芒種」について、そして芒種の期間中にある、
七十二候の3つについて、それぞれ説明します。
また、この芒種の期間中に行われる行事や記念日、季節の過ごし方なども紹介します。

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芒種とは?2024年は6月5日

芒種とは、二十四節気の「立夏」から数えて18日目にあたります。

2024年の芒種は6月5日(水)です。
期間を表す場合は、6月5日から6月20日までです。
話を聞く女の子

芒種とはどんな意味があるのでしょうか?

話す若い女性

「芒種」は「ぼうしゅ」と読みます。
米や麦など穂の出る穀物の種をまく時期という意味です。
芒種の「芒」は、「のぎ」のことです。
「のぎ」とは、稲穂や麦穂などイネ科の植物の穂先にある、針のように細い毛のような部分で、種のこと。
その、「芒」がある穀物の種を蒔く時期なので、芒種と言われています。

「芒」は、漢字の禾(のぎ)偏と同じ意味です。

気象的には、梅雨入りのころ「芒種」は夏の季語でもあります。
田植えや蛍狩りが、この時期の風物詩となります。

「芒種」で種をまいた植物は、どんどん成長していきます。
そのため、「芒種」はものごとを始めるのに縁起がよい時期、とされています。

初候:蟷螂生 6月5日~6月9日頃

蟷螂生について

話す若い女性

芒種の初候は「蟷螂生」です。
「かまきりしょうず」と読みます。
期間は6月5日~9日ころで、カマキリが卵からかえる頃の様子を表しています。

カマキリは、木の枝などに産み付けられた小さい卵から、数百匹の子が生まれます。
とても小さな子供のカマキリも、鎌をもっていて、自分で虫をとって食べながら成長します。
カマキリは肉食で、害虫を駆除してくれる益虫です。

手が鎌のような形で、その鎌で切る様子から、鎌切り→カマキリになったと言われます。
待ち伏せる姿の手が拝んでいるようにも見えるため、「拝み虫」とも言われています。

次候:腐草為蛍 6月10日~6月15日頃

腐草為蛍について

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芒種の次候は、「腐草為蛍」です。
読み方は、「くされたるくさほたるとなる」です。
期間は6月10日~6月15日ころ
腐って朽ちた草などの下で、ふ化した蛍が光を放ちながら飛び交う様子です。

 

腐草」とは?・・・川や畑の畔などに、垂れて腐った枯れ草のこと。

「腐った草がホタルになる」という表現は、
腐った草のなかでホタルが幼虫から成虫になるという比喩です

この時期に見られる蛍は、ゲンジボタルです。
蛍が発光するのは、仲間への合図や子孫を残す繁殖のためで、オスもメスも光りますす。
蛍は羽化してから1~2週間ほどしか生きられないので、出会えたらラッキーです。

有名な清少納言の『枕草子』の中にも、
『夏は、夜。月のころは、さらなり。闇もなほ、螢のおほく飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。』
と、蛍についての記述があります。
平安時代では、すでに蛍を見る習慣があり、江戸時代になると、蛍狩りは盛んになりました。

 

末候:梅子黄 6月16日~6月20日

梅子黄について

話す若い女性

芒種の末候は、「梅子黄」です。
「うめのみきばむ」
と読みます。
梅の実が熟して黄色く色づくようになる頃の様子を表しています。

6月の「梅雨」と言うのは、梅の実が熟す頃に雨が降ることから、言われるようになりました。
黄色く熟した梅は、梅干しや梅シロップなどに加工しやすく、梅仕事の時期となります。

こちらの記事で、梅仕事について紹介しています。
https://kurashiniikasu-wanotie.com/lifehack/1228/

 

芒種の期間中の行事など

芒種の期間中、6月5日~20日ころに行われる、行事などを紹介します。

6月6日 稽古始め

芒種」で種をまいた植物は、どんどん成長していくため、
「芒種」はものごとを始めるのに縁起がよいとき、とされています。

昔から「稽古始め」は数え年で6歳の6月6日に行うという習わしがあり、
この日に稽古を始めると上達しやすいと言われています

この由来となったのは、室町時代に能を大成した世阿弥の著書『風姿花伝(ふうしかでん)』の冒頭にあります。
「この芸において、おほかた、七歳をもてはじめとす」とあり、
「稽古を始めるのは数え年7歳(満年齢だと6歳)がよい」と書かれています。
また、「6歳の6月6日」となったのは、江戸時代の歌舞伎のセリフのごろ合わせや、指の形が由来しているという説があります。

 

6月10日 入梅

2024年の入梅は、6月10日です。梅雨の季節に入る日のことです。
入梅とは雑節のひとつで、暦の上での「入梅」の日です。

昔は、二十四節気の「芒種」に入ってから最初の壬(みずのえ)の日とされていました。
現在では、太陽黄経が80度になる日です。

雑節とは、日本独自の暦で、農耕の目安や季節を表す目印となる日です。
節分・土用・彼岸・八十八夜などが雑節にあたります。

入梅は、田植えの日取りを決める目安として使われています。
実際の梅雨入りは気象庁によって発表されていますので、梅雨入りと入梅は別のものになります。

6月10日 時の記念日

6月10日は、日本初の時計が鐘を打った日が由来となっています。
「時間に関心を持ち、規律正しく効率的な生活を習慣化する」ことの啓発を意図して、
大正時代に制定されました。

日本初の時計は「漏刻(ろうこく)」という水時計のことです。
『日本書紀』には、天智10年(671年)に、
天智天皇が大津宮の内裏に設置したものであると記されています。
天智天皇を祀る近江神宮(滋賀県大津市)では、この日に「漏刻祭」を行います。

6月16日「嘉祥の日」「和菓子の日」

6月16日は、「嘉祥の日」といい、厄除けを健やかな毎日を願ってお菓子を食べる日です。

「嘉祥の日」の始まりは、平安時代の嘉祥元年(848年)6月16日。

疫病が大流行したため、厄除けと健康招福を願って、任明天皇が元号を「承和」から、「嘉祥」に改め、16個の菓子や餅を神前に供えて「嘉祥の儀式」を執り行ったことに由来しています。

江戸時代になると、幕府においても重要な行事になり、江戸城の大広間に集まった、
将軍御目見えが許された大名・旗本がお菓子をもらう「嘉祥頂戴」が行われました。
庶民の間でも、16文で菓子や餅を16個買って食べる「嘉祥喰」が行われました。

その後、1979年に全国和菓子協会が、6月16日を「和菓子の日」に制定しました。

 

まとめ

6月5日~20日までの二十四節気の芒種のこと、そして芒種の七十二候についての説明と、
期間中の行事などを紹介しました。

芒種のころの楽しみ方

この時期は、 鮎(あゆ)の漁が解禁されます。
和菓子屋さんでは、若鮎を模した和菓子が販売されています。

そして、芒種の時期といえば、「田植え」。
あちこちで田植えが始まり、田の神さまに豊作をお祈りする祭事も全国で行われます。
特に大阪の住吉大社の、「御田植神事(おたうえしんじ)」が有名です。

また、菖蒲やあじさいの咲くシーズン。菖蒲まつりやあじさい祭りも各地で行われます。
そして、蛍の時期。都内の庭園などでも蛍が鑑賞できる場所があります。

こちらの記事で、あじさい祭りのオススメスポットを紹介しています。
https://kurashiniikasu-wanotie.com/spot/1288/

雨の多くなる時期ですが、種まきをして収穫に向けた成長を楽しむ季節でもあります。
何か新しい事にチェレンジしてみても、良いかもしれません。