2月に稲荷神社で行なわれる初午とは?いなり寿司との関係なども紹介

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2月初午の記事について 年中行事と歳時記

2月になると「初午」という言葉を耳にすることがあります。
商売をしている人や、農業の方、会社などでお稲荷様を大切ににしているところなどは、稲荷神社に参拝しているところもあります。
初午とは、「2月の最初の午の日」のことで、稲荷神社では初午祭事が行われます。
今回は、初午とは何か?について紹介します。

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初午の由来について

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2月の初午の日に、全国にある稲荷神社では、豊作・商売繁盛・開運・家内安全などの祈願が行われ、多くの人が参拝します。
稲荷神社では赤いのぼりが立って、賑やかな雰囲気になっていることに、気づいたことはないでしょうか?
露店なども出て、赤飯やいなり寿司・団子などが売られているところもあります。

 

初午の日はいつ?

2024年は、2月12日(月)が「初午」です。
そして2025年は2月6日・2026年は2月1日と、初午は毎年決まった日付けではありません。
これは、昔の暦をもとにしているためです。
現在の数字のカレンダーになる前は、日付に十二支を当てはめて考えられていました。

1日から🐭子→2日が🐄丑→3日が🐯寅→4日が🐇卯→5日が🐉辰→6日が🐍巳→7日が🐎午→
8日が🐏未→9日が🐒申→10日が🐔酉→11日が🐶戌→12日が🐗亥→13日が🐭子…と繰り返す

そして、2月の最初に来た午の日の事を、「初午」と呼んでいます。

なぜ初午なの?

「初午」の日に稲荷神社にお参りすることを「初午詣」「福詣」などと言います。
稲荷神社では、初午大祭が行われ、紀貫之や清少納言もお参りしたとの記録があります。

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お稲荷さんの祭日が、なぜ午の日なの?

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稲荷神社の総本社である、京都の伏見稲荷大社の奥にある、稲荷山という場所に、
宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)という神様が鎮座したのが、和銅4年(711年)の初午の日と言われていて、その初午の日に祭事が行われるようになりました。

「初午の日が立春よりも早く来る年は火事が多くなる」
「初午の日に雨が降らなければ、その年は火事が起こりやすい」

とも言われていて、初午の日に出初式を行う地域もあります。
二の午・三の午と巡る年もあり、初午ではなく二の午に大祭を行う稲荷神社もあります。

お稲荷様は何の神様?

宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)は、五穀豊穣の神様です。
「稲荷大神」「お稲荷様」などと呼ばれ、全国各地に稲荷神社が祀られています。
初午の2月の時期は、田んぼや畑の準備を始める時期でもあります。
そして稲荷とは、稲作の「稲生り」から来た言葉とも言われ、豊作を願って稲荷神社に参拝する習慣が広がりました。
江戸時代ころには、五穀豊穣のほか、商売繁盛・開運・家内安全・火災除けなどの御利益もあるとして、多くの人に参拝されるようになりました。

お稲荷様とキツネ

「お稲荷様」といえば、「キツネ」をイメージする方も多いのではないでしょうか?
キツネは祀られている神様ではありません。キツネは稲荷大神様のお使いとされています。
そのため、稲荷神社の鳥居や入口などに鎮座しています。
このお使いであるキツネは、野山に居る普通のキツネとは違い、神様同様に私たちの目には見えない存在とされて、稲荷神社のキツネのことを「白(透明)狐=びゃっこ」とも呼んでいます。

お稲荷様とキツネについて

キツネは秋の収穫のころに里に下りてきて、収穫が終わるころに山に戻っていくことから、
五穀豊穣の神様とともに、農耕を見守ってくれる神聖な動物として考えられたようです。

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神社は赤い鳥居が多いですが、朱色には魔除けの力があるとして使われています。
稲荷神社では、願いが叶ったお礼に鳥居を奉納するため、沢山の鳥居が並ぶようになりました。

お稲荷様とお供え物

お稲荷様といえば、油揚げのイメージが浮かぶ人も多いでしょう。
油揚げは、お稲荷様のお使いであるキツネの好物として、お供えされるようになりました。
油揚げのほか、油揚げを使った料理を「稲荷」と呼んでお供え物にしています。
初午の日に、特にお供えされ、食べられているものについて紹介します。

初午といなり寿司

おいなりさんの名前の通り、いなり寿司も初午には欠かせない食べ物です。
「初午」では、「初午いなり」として、お供えしたり、食べる習慣があります。
キツネの好物である油揚げに、収穫したお米で作った酢飯を詰めたものを、五穀豊穣の神様であるお稲荷様に奉納したことが、「いなり寿司」の始まりと言われています。

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いなり寿司の形は東西で違い】があるのをご存じでしょうか?

東日本:米俵に見立てた俵型。「いなり寿司」と呼ぶ
西日本:キツネの耳に見立てた三角形が主流。「お稲荷さん」と呼ぶ

東西で違ういなり寿司の形

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毎年2月11日は「初午いなりの日」です。
全日本いなり寿司協会が決めた記念日で、「初午の日」とは異なります。
初午の日に食べる「初午いなり」を知ってもらうために制定されました。

しもつかれ

「しもつかれ」は、栃木県の郷土料理として有名です。
鮭の頭・鬼おろしですりおろした大根とにんじん・油揚げ・節分の大豆などを酒粕と一緒に煮込んだもので、初午の日に特別に作ってお供えするものです。
藁を束ねてつくった「わらづと」の中に、しもつかれを入れて、赤飯と一緒に稲荷神社に供えます。

初午団子

「初午団子」とは、繭玉に見立てて作られた、楕円形をした白いお団子です。
養蚕が盛んな地域では、初午の日に、蚕の神様を祭る行事が行われていました。
上質な繭が沢山できることを願って、初午団子をお供えし、食べる習慣があります。
初午団子を食べる時は、醤油を使わないのが特徴です。
醤油をつけると、繭にシミがついて不良繭になるとして、嫌われたのが由来のようです。
地域によって、きな粉をかけたり、ぜんざいやお汁粉に入れて食べたり、様々な食べ方があります。

初午の食べ物初午団子と旗飴

旗飴

「旗飴」とは、様々な色や模様の旗をまきつけた棒の先に、飴をつけた飴菓子のことです。
主に奈良県で、初午の日にお供えします。そして、ハロウィンのように、お供えされた旗飴をもらいに商売をしている家々を子供達が回って歩く習慣があります。

 

初午詣に神社に行こう

普段お稲荷様をお祀りしてない方には、家庭での初午行事は馴染みがないかもしれません。
全国の稲荷神社では、初午祭が行われ、神事に参詣できたり、露店などが出て誰でも初午気分を味わえるところがあります。
ここでは、総本社である伏見稲荷大社と東京の王子稲荷神社を紹介します。

伏見稲荷大社の初午

伏見稲荷大社・京都府京都市伏見区

全国に3万社あるといわれる稲荷神社の総本社が、京都にある伏見稲荷大社です。

【初午大祭(はつうまたいさい)】 2024年2月12日 8:00~

大祭の2日前から、稲荷山の杉と椎の木で作った「青山飾り」が本殿などの柱に飾られます。
初午当日に、商売繁盛・家内安全のご利益がある杉の小枝「しるしの杉(験の杉)」が授与されます。

京都では、初午の日に畑菜の辛子和えを食べる習慣もあります。
畑菜は京野菜で、伏見稲荷大社を創建した秦伊呂具(はたのいろぐ)の名前にかけていると言われていて、キツネ好物である油揚げとともに辛子で和えたおばんざいです。

王子稲荷神社・東京都北区

【初午祭・凧市】 2024年2月12日・24日の二日間 13:00~18:00

王子稲荷神社では、2月の午の日に凧市が行われます。
周辺には露店も並び、大勢の人出があります。

火事が多かった江戸時代、凧は風を切って空に上ることから、火事の原因となる風を抑えてくれるものと考えられました。
王子稲荷神社で奴凧を「火防の凧」といい、火事除けの御守りとして、庶民が買い求めたのことが
凧市の始まりと言われています。
凧市で授与される「火防の凧」御守は、無病息災・家内安全・商売繁盛・開運などのご利益があると言われます。

まとめ

今回は2月に行われる初午の由来について、そしてお供え物や初午祭について紹介しました。
稲荷神社は、大きな神社から小さな神社まで日本各地の多く存在しています。
もしかしたら、あなたの街でもお稲荷様で初午が行われていいるかもしれません。
赤い幟がたっているのを見かけたら、是非立ち寄ってみてください。

その他、この時期の行事や過ごし方など二十四節気について、こちらでも紹介しています。