悪いことが嘘になる?天満宮・天神社で行われる「鷽替え神事」を紹介

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鷽替え神事について紹介 年中行事と歳時記
1月25日に行われるところが多い、「鷽替え神事・うそかえしんじ」をご存じでしょうか?      鷽替え神事とは、全国の天満宮・天神社で行われる、ちょっと変わった行事です。
祀られている菅原道真は、生まれた日も亡くなった日も25日だったため、天満宮・天神社では25日は縁日となっており、1月25日は新年最初の「初天神」も行われています。
今回は、この鷽替え神事の由来や、行われている場所などをいくつか紹介します。

 

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天満宮と鷽替え神事とは

鷽替え神事とは、「天神様・天神さん」の名で親しまれている、学問の神様としても有名な菅原道真を御祭神とした、全国各地の天満宮・天神社で毎年1月に行われる、開運招福を祈願する行事のことです。

鷽替えの鷽って何?

話す男の子

まず、聞きなれない「鷽・うそ」とは、何でしょうか?

話す若い女性

「鷽」とは、鳥のことです。
スズメ目アトリ科ウソ属の鳥で、大きさはスズメより少し大きいくらいです。頭と尾が黒く、背や腹はグレーですが、オスは喉もとが紅色をしています。

「うそ」という名前は口笛を意味する古語からきているといわれます。
鳴き声が「ヒー、ホー」と口笛のように聞こえることから言われているそうで、
江戸時代には「弾琴鳥」や「うそひめ」とも呼ばれたそうです。

鷽鳥と木鷽

話す若い女性

鷽替え神事で配布される鷽は、「木鷽・きうそ」と呼ばれ、
木彫りに彩色して作られたものです。

神社によって色や形は違っていて、様々な姿の木鷽が存在します。中には、土鷽という土でつくられる地域もあります。

天神様と鷽

話す男の子

今では鷽という鳥は、普段なかなか聞かない鳥のように思いますが、
なぜこの鷽が神事に使われているのでしょうか?

天神様として祀られている菅原道真は、平安時代に学問に秀でた右大臣でしたが、無実の罪で901年に大宰府に左遷されます。

話す若い女性

太宰府へと向かう海上で遭難した際に、鷽が船の先にとまり先導して命を救ったとの話があります。
また、その翌年の1月7日に道真が大切な神事を行っていた際、寒い時期にも関わらず、なぜか無数の蜂に襲われました。
その時に鷽が飛来してきて蜂を食い尽くし、人々を救ったとも言われています。

このことから、「鷽は厄災いをウソにして祓い、幸運を招く鳥」として祀られるようになり、
「鷽替え神事」が行われるようになりました。
また、鷽の漢字の冠が學と同じということで、学問の神様である天神様のお仕え鳥、としても祀られるようになりました。

鷽替え神事の内容

●「鷽替え神事」とは?
私達が知らず知らずのうちに使う「嘘」を、天神様の「まこと」に替えていただいて、正しい幸運を招くという神事で、授与される木彫りにした「鷽」を、新しい「鷽」へと取り替えていく神事です。

鷽替え神事は江戸時代に、天満宮や天神様に人々が集まって始まったとされています。

当時は集まった人々が、授かった木鷽を「替えましょう、替えましょう」と呼びかけて、
お互いの木鷽を次々と取り替えていきました。
何度も木鷽が人の手を渡って取り替えていくことで、
前年に起こった凶事を嘘にして幸運に替えることを願ったと言われています。

現在では、木鷽は開運、除災招福のお守りとして授与され、そのまま神棚などにお供えします。
古い木鷽を神社に納め、毎年新しい木鷽と取り替えますが、地域によって授与の方法などにも違いがあります。
木鷽の大きさや種類も複数用意されている地域があります。その場合は、小さいものから始めて、毎年一回りサイズの大きいものに変えていくとも言われています。

太宰府天満宮の鷽かえ神事

太宰府天満宮は全国天満宮の総本宮です。

1月7日18時から「鷽かえ神事」が執り行われます。
16時から授与される木鷽を用意して、天神ひろばに木鷽を持ち寄ります。
太宰府天満宮では、昔ながらの「かえましょ、かえましょ」の声とともに木鷽を交換し、最後に手元に残った木鷽を持ち帰ります。
そして、中には幸運の金鷽が当たる木鷽があり、巫女さんから当選発表がある楽しい行事でもあります。

鷽かえ神事の後に、鬼すべ堂で斎行されるのが「鬼すべ神事」です。
「鬼すべ神事」は、災難消除や開運招福を願う、勇壮な火除けのまつりで、日本三大火祭りの一つにもなっています。
寛和2年(986)、道真公の曽孫にあたる大宰大弐菅原輔正(すがわらのすけまさ)によって始められたと伝えられています。

関東三大天神の鷽替え神事を紹介

鷽替え神事は全国にある天神様を祀る天満宮や天神社で行われますが、開催日時や木鷽の種類・授与方法などに様々な違いがあります。こちらでは、東京都の三大天神について紹介します。

関東三大天神とは?
東京にある有名な3つの天満宮・天神社のことで、
亀戸天神社(江東区)・湯島天満宮(文京区)・谷保天満宮(国立市)の3つです。順番に紹介します。

亀戸天神社の鷽替え神事

梅や藤の名所としても知られているのが亀戸天神社です。

亀戸天神社の鷽替え神事
開催日時:1月の24・25日の2日間 8:30~なくなり次第終了
場所:東京都江東区亀戸3-6-1 JR錦糸町駅・半蔵門線錦糸町駅・JR亀戸駅から徒歩約15分

亀戸天神では毎年1月24・25日に「木彫りの鷽」が授与されます。
懐中用と1号~10号まで、全部で11個のサイズがあり500円~7,000円です。
限定の御朱印やお守り、絵馬などもあります。
木鷽をいただくときに一緒に渡される「由来書」に書いてある番号は金鷽の当選番号になっていて、当選は25日夕方に発表されます。
前年の木鷽を納める場所があり、沢山の鷽が集まっている風景も見られます。

湯島天神のうそ替え神事

受験生が合格祈願で訪れることが多いのが湯島天神です。

湯島天神(湯島天満宮)のうそ替え神事
開催日時:1月25日 9:00~なくなり次第終了
場所:東京都文京区湯島3丁目30-1
千代田線湯島駅から徒歩約2分 銀座線上野広小路駅から徒歩約5分 JR御徒町から徒歩約8分など

湯島天神の木彫りは、鉛筆のような形をした鷽で、お腹に白い花模様のある素朴な雰囲気ですが、人気があります。
木鷽は通常版大700円・小500円と復刻版大700円・小500円の4種類
飾り鷽絵馬や限定御朱印もあります。湯島天満宮では古い鷽は専用の箱に納めます。

谷保天満宮

国立市にある谷保天満宮。梅林があり梅の咲く時期は、賑わいます。

谷保天満宮のうそ替え神事
開催日時:11月2日・3日 11月3日は、大庭燎祭(おかがらびまつり)が18:00時より
場所:国立市谷保5209 JR谷保駅から徒歩約3分

うそ鳥の授与は11月2日・3日の2日間、こちらの木鷽は腹部に空洞があり、おみくじが入っています。
木鷽は1種類500円。
自分の選んだ木鷽を巫女さんの手元にある木鷽と交換することで鷽替えをします。

同時に開催されるおかがらび祭とは、本社拝殿の前に高さ3メートルほどの薪を積んだ山が2基置かれます。18時より一斉に点火され、 2基の炎の高さを競い、御神木の転倒を防ぎ合う行事です。
おかがらびの火にあたると悪い病気にかからないと言い伝えられています。

 

まとめ

今回は、天満宮の総本社である福岡の太宰府天満宮と関東三大天神を中心に、鷽替え神事の由来や内容について紹介しました。
鷽替え神事は全国各地の天満宮・天神社で行われています。
地域によっては、4月や6月に行うところや、1月25日から1ヵ月ほど木鷽の授与を行うなど、様々あります。お住いの地域には天神様を祀っているところはあるでしょうか?
もしかしたら、知らないだけで、木鷽の授与や鷽替え神事を行っているかもしれませんので、調べてみてはいかがでしょうか?

この時期の過ごし方や行事など、二十四節気になりについてこちらの記事でも紹介していますので、どうぞ。