新茶は普通のお茶とはどう違う?八十八夜と新茶の日について紹介

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新茶とは?八十八夜と新茶の日について紹介 今日は何の日

「八十八夜」は、茶摘みの時期で、ニュースなどでも茶摘みの様子が流れています。
お茶の販売店では、「新茶」の入荷を知らせる幟が立ち始めます。
お茶は一年中販売されて飲まれていますが、なぜ、「八十八夜」はお茶摘みの時期として大切にされているのでしょうか?
また、「新茶」と普通のお茶とは、何が違うのでしょうか?
今回は、「八十八夜」と「新茶」について紹介します。

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八十八夜とは?

話す男の子

八十八夜とは、どのような日なのでしょうか?

八十八夜について

2024年の八十八夜は5月1日です。

 

話す若い女性

八十八夜は季節の移り変わりを表す「雑節・ざっせつ」のひとつです。
そして、八十八夜の日は、立春から数えて88日目となります。

 

雑節とは?
日本独自の季節や生活文化に合わせて決められた日。
特に農業に関する目安となるような日が多いです。
節分・入梅・彼岸・土用などがあり、暮らしと密接に結びついています。

八十八夜は何をする日?

話す若い女性

八十八夜は、茶摘みや種まき・田植えなど始める目安となる日
とされています。

話す男の子

「八十八夜の別れ霜」という言葉を聞いたことがあります。

話す若い女性

「八十八夜の別れ霜」とは、八十八夜のころに降る霜のこと。
この時期を過ぎると霜は降らないとされてきました。
農作物にとって霜は厄介なもの。
八十八夜が過ぎると、種まきや茶摘みの季節とされてきました。

 

八十八夜は新茶を飲もう。
八十八夜に摘まれたお茶は、不老長寿の縁起物とされています。
新茶を飲むと一年間災いなく、健康に過ごせると言われています。
●お米を食べよう
八十八夜は、漢字の「八十八」を組み合わせると、「米」という文字になります。
このことから八十八夜に種まきをすると、秋においしいお米が収穫できるとされています。
八十八夜には、そんな事を思い浮かべて、お米を食べてみましょう。
八十八夜に摘んだ新茶を飲んで 無病息災

新茶の日と緑茶の日

八十八夜の日は、お茶にまつわる記念日も制定されています。

「新茶の日」
八十八夜の日に摘んだ新茶は上等なものとされ、この日に摘んだ新茶を飲むと「病気にならない」「長生きする」と伝えられていることから、八十八夜にあたる日を「新茶の日」として、
静岡県掛川市にある山啓製茶株式会社が制定しました。

「緑茶の日」
八十八夜の頃は、茶摘みが最盛期であることから1990年に日本茶業中央会が、
八十八夜にあたる日を、「緑茶の日」と制定しました。

 

お茶が日本に伝わったのは?

今では、日常的に誰もが気楽に飲んでいるお茶。
いつ頃から日本で親しまれているのでしょうか?

お茶はいつから飲まれているの?

話す若い女性

お茶は、中国から奈良時代に伝わったとされています。

日本にお茶が伝わったのは、奈良時代・遣唐使によって伝えられたとされています。
当時のお茶は貴重品で、貴族や僧侶など限られた人たちのみが口にできました。

奈良・平安時代のお茶
「餅茶・団茶」という、蒸した茶葉を粉状にしたあと、餅のように固めたお茶でした。
飲む時に必要な分を切り取って、火で炙り、それを粉末にしてお湯を入れて飲みました。

団茶・餅茶のイメージ 固めた茶葉をほぐして使います

鎌倉時代から広がるお茶
お茶の普及のきっかけは、鎌倉時代の僧・臨済宗の栄西と華厳宗の明恵が有名です。【栄西】 京都に建仁寺を建立した僧侶。
『喫茶養生記』という書で、お茶の栽培方法・製法・薬効・飲み方などを記しました。
宋の「点茶法」による飲み方を伝えています。
蒸したお茶を粉末にしたものに、お湯を注ぎ、茶筅で泡立てて飲んでいたようです。碾茶(てんちゃ)や挽茶(ひきちゃ)と呼ばれるもので、現在の抹茶のようなものでした。【明恵】 栄西からお茶の効用を学び、京都の栂尾・高山寺にお茶の種をまきました。
最古の茶園としてお茶の名産地となり、ここのお茶は「本茶」を呼ばれ、それ以外の産地のお茶とは区別されました。

お茶が広がったのは源実朝の二日酔いから?

鎌倉時代は、栄西と明恵によって、広く日本にお茶が広がっていきました。
しかしこの頃のお茶は趣向品というよりも、薬として飲用されていました。

話す男の子

お茶の普及は、源実朝の二日酔いから?という話を
効いたことがあります。

話す若い女性

鎌倉時代の歴史書である『吾妻鏡』には、源実朝が
二日酔いの時、栄西の煎じたお茶を飲んで治ったという記載があります。

鎌倉時代は武士の間で、お茶が生活や社交の場面でも取り入れられ、広がっていきました。
「茶寄合い」が盛んになり、「闘茶」とよばれる、お茶の味を飲み分けて勝敗を競う遊びや、
「茶の湯」が広がっていきました。

戦国時代以降は、茶道の原型になる「侘び茶」が千利休によって完成し、織田信長や豊臣秀吉などの側近として活躍します。

江戸時代になると、黄檗宗を伝えた隠元が、新しいお茶の飲み方を伝えたとされています。
「唐茶」という釜炒り茶で、茶葉を蒸さないで、鍋か釜に入れて揉みながら炒ったお茶でした。

一般庶民がお茶を楽しむようになったのは、元禄3年1690年の利休百年忌がきっかけとされ、
行楽地や街道沿いには、お茶を飲ませる茶店が登場します。

江戸中期まで一般庶民のあいだで飲まれていたお茶は、今のような緑色ではなく赤茶色でした。
茶葉を若葉・古葉の区別なく摘み取り、灰のアクを加えた熱湯でゆがき、冷水で冷やしたあとに乾かして、煎じたものでした。

その後、京都の宇治の永谷宗円が、お茶の葉を蒸し、手もみで乾かしていく方法を発明し、江戸の日本橋の山本屋(現在の山本山)に持ち込んで、キレイな色で香りのある緑茶が広がりました。

新芽だけを用いて湯で蒸すことで色が綺麗な緑色が出て、そのあと冷却し、焙炉(ほいろ)で乾燥させたものを煎じて飲むというものでした。
従来の煎茶より味・香りともに格段によい、現在の煎茶のようなお茶が出来上がりました。

新茶の特徴とお茶の種類について

新茶は普通のお茶とは何が違うでしょうか?その違いについて紹介します。

新茶とは?

新茶のことは、一番茶とも言います。
その年の最初に育った新芽を摘み取って作ったお茶の事です。

八十八夜の八十八は、末広がりの八が二つ重なる縁起が良い日と言われています。
この日に摘んだ、最初の新芽を使って作ったお茶は、他の時期のお茶とは区別しています。

新茶は発酵を防ぐために、収穫後にすぐに加熱する「蒸し」を行なうため、鮮やかな緑色と香りが良いお茶となります。

新茶の収穫は一年に1回、4月~5月に行われ、この時期に摘まれた茶葉から作られた新茶は、
最も高品質とされています。

新茶は葉がとても柔らかく、水分やミネラル分、旨み甘み・リラックス成分のテアニンを多く含んでいて、渋みが少なく、新鮮な香りと甘みがあります。

新茶はとても葉が柔らかく、冬の間に蓄えてきた栄養分が入っています。

また、新茶にしか含まれないお茶の香りのもとである、青葉アルコールは、揮発性が高いため、
その特別な香りはパックに詰めてもすぐに飛んでしまいます。
香りが保つのは約1カ月~2か月。そのため、
新茶が楽しめるのはこの時期となっています。

新茶=初物
昔から、人々は、「初物」をありがたく頂いてきました。
特に江戸時代では、「初物を食べると七十五日長生きする」と言って、競って初物を食べました。初物には、「これからこの食べものの旬が始まります」という意味があり、旬の食べ物には、エネルギーと栄養が多く含まれています。

 

新茶前線

新茶は限られたお茶ですが、市場にはもう少し長く出回っています。
これは、日本の各地にお茶の産地があるためです。
日本列島は南北に長いため、茶摘みが始まる時期は地域によって異なります。
最も早いのは、鹿児島からで3月下旬~4月上旬。
静岡で4月中旬~5月中旬、関東は5月下旬ころとなります。

新芽は摘んでも次が生えてきます。 摘む時期で、お茶の味わいも変わります。

新茶とお茶の種類

新茶に対して、収穫から時間が経過したお茶は、「古茶・ふるちゃ」といわれています。

お茶の葉は、芽を摘んでも、また新しい芽が出てきます。
新茶のあとも、次々とお茶の収穫は続きます。摘み取られる順番で、呼び方が異なります。

一番茶:新茶のこと。4月中旬~5月に収穫する。手摘みが最も高品質。
渋みや苦みが少なく、茶葉の甘味が楽しめる。
二番茶:一番茶を摘んで45~50日後の若葉が成長する、6月中旬~7月上旬に収穫する。
    新茶よりカテキンやカフェインが多く、若葉の苦みがある。

三番茶:7月下旬~8月上旬に収穫されるお茶。完全に成長した葉。
    真夏の紫外線を強く浴びてカテキンを多く含む。

四番茶:秋冬番茶ともいう。9月~10月ころに収穫するお茶。
    安価で手軽に買える普段使いのお茶。

まとめ

5月の風物詩である、「八十八夜」と「新茶」について紹介してきました。

この時期は、日本各地のお茶の産地では、お茶摘みのイベントや新茶にまつわる催しなども色々と行われています。
お茶摘み体験や、新茶のキャンペーンなどやっているところもありますので、
近くのイベントを探してみてはいかがでしょうか。

また、お茶は飲んだあとにも利用できます。

茶がらの活用法

茶がらとは、使用済みのお茶の葉のこと。
お茶を楽しんだあとの、お茶っ葉も、昔の人は大切に活用してきました。
畳の部屋が多かった昔の民家では、ホコリを取りやすくするために、湿気のある
茶がらを撒いてからホウキで掃くというのが、一般に行われていました。
現在では、畳の部屋は少なりましたが、ガーゼやお茶のパックに茶がらを入れて、
まな板をこすって消臭・抗菌に使ったり、シンクの掃除にも使えます。

茶がらで掃除ができます

是非、私たちの生活に長く親しまれているお茶を、色々と楽しんでみて下さい。